誰の家だろう。


スー スー


安心しきったような寝息。
ねえちゃんは目を腫らしていた。
それを優しく癒すように
少し斜めの高い位置から
光が2人を照らす。
風が入る度に
白いカーテンが揺れて
赤い瞼の熱を
ゆっくり冷ましている。


ガラスの向こうに
汚れのない入道雲と
夏本番へと向けて
色が増す青い空が見えた。


だけどそれでも汚れてる。


階下から知らない人の
暗い声が聞こえた。


それはとても小さな朝でした。