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ことばにならない ことばたちを 放置プレイ

きえろきえろきえろみんな消えてしまえ

好きにさせて
小鳥がぴちぴち
蝉の声にいらつくあなたの足
絶えず目で追うわたしの恐怖に
あなたは気づいているかしら?

五体満足。
いたって変異のない身体だけれど
両腕両足に見えない猿轡。
お願い飛ばせて、
泣き叫ぶくらいなら
その首絞め殺してあげるのに。
縛ったのはわたし自身。

だって本当の愛なんて誰も知らないでしょ?

わたしだけを
追わないけれど
戻ってきてほしい。
その手の冷たさは
他の誰かが
温めてあげただろうか。

「Help me」
9年前からずっと
あの人の行動に怯え
あの人の言葉に傷つき
あの人の涙に絶望して
限界を通り越して
それでも私たちは生きている。


時々不思議になる。
なぜ命があるのか。
私は私を生んだ人間に
殺されていたはずだった。
だけどあの人は警察を欺き
今ここで叫び続ける。

ブラックホールに
椅子を蹴る音。教室中にお喋りが充満。負けじと声を張り上げる「学年長」という肩書きのカタイめがね主任。すべてが雑音。それでも私は彼らの話に反応して笑う。笑って笑って笑う。
こんなことを続けて、時々ブラックホールが現れる。とてつもなく、どうしようもなく、この雑音やこの教室というスペースやこの制服を着ていることが怖くなって、吸い込まれそうだ。かつて私を理解してくれた人、助けてくれた人、愛していた人、が、私の心から消されそうな気がする。

受験戦争
張り詰めていた緊張感がいきなり緩んだのと、安心感とでガクガクしている足に、心の中で「がんばったね」と声を掛けながら校門を出ると、恥じらいもなく人前でスカートを短くしている迎え待ちの女の子がひとり。見知った顔は見当たらなかった。
私が一緒に受ける子たちはそういう人ばかりだ。無駄な気遣いなどしない。
見上げるとどんより雲が空一面に敷き詰められている。
窮屈だな、と私はため息を吐いて歩き出す。
今は合否も未来もどうでもいい。この雲さえ吹き払ってくれれば、私を縛っていたもののあらゆる解放感も、素直に受け止められる気がする。


ようやく、戦争は終わった。
私はどうにかこうにかここまで、自分に負けずに生き残れたみたいだ。

From,教授

つめたく腐る
あ。腐りそう。
テーブルのうえにひとつだけ置いてある苺を、冷蔵庫に入れる。
指についた果肉は、既にピンク色に変色している。

ふとあの人を思い出した。顔に叩きつけられて潰れた苺。
私の目からは赤い涙が零れ、あの人の手は染まっていた。
赤く赤く、少しピンク色に。




腐りそうだ。
私の心も、冷蔵庫で冷やせば腐らずにすむだろうか。

返せないメール
ケータイが鳴らない。理由は分かってる。だけど返せない。
変な子だなと思ってた。私はちゃんと生きてるのに。あなたはきっと気付いてたんだね。あなたも痛みを隠してるから。

ひだりうでのこどく
かなしくてさみしくてむねのあたりからぎゅっとつかまれてるみたいでくるしくて胃のなかに八方にひろがる刃物があばれているみたいにいたむ。だからいっぱいないてそれでもたえられなくてまたひだりうでにきずができた。

無欲
言葉だけの愛情など
いらない
何もいらない

世界にはそういうものしかないのなら
あたしは何もいらない

そういうものしかないのなら
あたしは何も欲しくない

平凡
カタカタ聴こえて目が覚めた。重たい首を持ち上げると、冷たい外気で少し目が覚めた。音の主は、姉の高校へ行く準備の音だ。さらさらと流れるように動き回り、時計の針は動いている。まだ5時過ぎをさしているのを見て、頭を布団の中に突っ込み、再び目を閉じた。姉はいつも通りだ。

次に目が覚めると、薪ストーブの横で祖父が朝食の餅を食べていた。正月に祖母と姉と私の3人で搗いた餅だ。もうかび臭くなっているはず。
祖母は洗濯物を持って、外へ出て行ったところ。祖父が餅を食べる音が静かに響く。横でチャックを開閉する音や、何本ものペンが擦れ合う音が聴こえて目を向けると、姉が筆箱に筆記用具を詰めているところだった。
ふと何かがちがうとおもった。私がこの居間で寝ているのもおかしいが、コロに話しかける人が誰も居ない。コロとは我が家の飼い犬だ。1歳ちょっとで、つい数ヶ月前に近所の消防学校から譲り受けた時はまだ仔犬だった。今ではほとんど成犬になっている。

コロは少し前から具合が悪かった。よろよろと草むらに歩いて行き、苦しそうに喘ぎだすと、ゴボッゴボッと胃の中のものが口から溢れ出す。何も食べたがらず、5日ほど前から寝込んでいた。そして昨夜、私が用事から帰ってきた時には、疲れ果てて憔悴しきった顔で、居間の座布団にひとり横になっていた。

記憶喪失
あの日から変わらない日付。あなたの身になにがあったのですか。

子供
勝ち誇った顔で帰っていくあの人を見送りながら悔しくて泣いた。
なんで私はあの女の子供なのだろうと。














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